こんな症状があったら泌尿器科受診をおすすめします
泌尿器科では腎臓から尿道までの尿路の疾患を専門的に診察しています。泌尿器疾患は、排尿に関する症状で気付くことがよくあります。下記のような症状がありましたら、ご相談ください。
- トイレの回数が増えた
- 咳やくしゃみの時に尿漏れすることがある
- 急に強い尿意が起こり我慢できず漏れそうになる
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 残尿感がある
- 排尿の最後に痛みが起こる
- 漏らすのではと思うと外出が億劫になる
- 繰り返し膀胱炎になる
- 排尿を改善する薬を飲んでいるが効果がない
こうした排尿トラブルには泌尿器の疾患が原因となって起こっている場合があります。排尿トラブルは治療により改善可能ですので、お気軽にご相談ください。
女性専用の泌尿器外来を設けています
当院では女性医師による女性と小児の患者様専門の診察を行っております。女性の場合、泌尿器の問題となるとなかなか恥ずかしくて相談しにくい・通院しにくいという方も少なくありません。当院では女性医師が診察を行いますので、男性医師に相談しにくいお悩みでも気兼ねなくご相談できる環境をご用意しております。
女性によくある泌尿器の病気
過活動膀胱
急に強い尿意が起こる・急に強い尿意が起こって間に合わず漏らしてしまうといった症状がある場合、泌尿器の病気が疑われます。こうした症状が現れる代表的な病気が過活動膀胱です。ただし、膀胱がん、尿路結石、慢性膀胱炎、神経因性膀胱、心因性頻尿などでも同じ症状が現れることがあるため、こうした症状があったら必ず専門医を受診して正確な診断を受けるようにしてください。
尿失禁
咳やくしゃみ、前屈み、重いものを持ち上げるなど、腹圧がかかった状態になると尿漏れが起こります。原因には尿道括約筋不全や尿道過活動などがあり、それに合わせた治療が必要です。
膀胱炎
泌尿器科を受診される女性の患者様で圧倒的に多いのが膀胱炎です。女性は男性より尿道が短いため、尿道口から入った細菌が膀胱に達しやすく、膀胱が細菌感染して膀胱炎を起こしやすくなっています。代表的な症状として、排尿の最後に起こる鋭い痛みがあり、頻尿や残尿感、尿混濁、血尿などが現れる場合もあります。膀胱炎が悪化すると腎盂腎炎を起こすリスクが高まりますので、必ず受診してしっかり治してください。また膀胱炎は再発しやすい病気ですので、生活習慣などを見直すことも再発予防には重要です。また再発を繰り返す場合、原因となる疾患の有無を調べる必要があります。
腎盂腎炎
腎臓にはその役割を果たす腎実質と、その間にある尿路の腎盂腎杯があります。腎盂腎炎は腎実質や腎盂腎杯に細菌が感染して炎症を起こしている状態です。膀胱炎をはじめとする尿路感染症が悪化して、原因菌が腎臓に侵入して発症する場合があります。膀胱炎と同じ症状に加えて、背中や腰の痛み、発熱、寒気、吐き気、脱水などがあり、38度以上の高熱が出ることもあります。治療は主に抗菌薬の投与ですが、脱水が起こっている場合などには点滴も必要です。また、入院が必要になることもあります。
腎機能障害
腎機能障害には、尿が全く出ない・尿の出が悪いといった症状が現れる急性腎不全と、慢性腎不全があります。慢性腎不全は初期症状が乏しく、進行すると夜間などの尿量増加、目周辺や足のむくみ、倦怠感や疲れやすさ、食欲不振、息切れなどの症状が現れます。急性腎不全はすぐに適切な治療を受ければ腎臓機能の回復が見込めますが、慢性腎不全は症状に気付いた時にはすでに腎機能の回復が困難なケースもありますので、排尿に関する異常が少しでもあるようでしたらすぐに受診してください。
尿路結石症
腎臓から尿管、膀胱、尿道という尿の通路は尿路と呼ばれています。結石は腎臓で作られますが、腎臓にある間は症状を起こしません。結石が腎臓から膀胱へとつながる尿管内に下降すると、狭い尿管に結石が詰まって背中やわき腹、下腹部に激しい痛みなどの症状を起こします。痛みの他、血尿や発熱などが起こることもあり、発熱がある場合には速やかに泌尿器専門医の受診が必要です。男女ともに近年は増加傾向にありますが、女性はその生涯で10人に1人が1度は尿路結石症になるとされているほどよくある病気です。
結石の自然排出を促す薬物療法で治療可能なケースが多いのですが、手術が必要になることもあります。また、痛みがおさまった場合も排石するまで治療が必要です。さらに再発しやすいので定期的な検査を受けるようにしてください。尿路結石症は症状が軽い場合もありますが、放置すると腎臓への負担によって腎機能低下を起こすリスクが高まります。なお、腎盂にある結石でも治療が必要になるケースがあります。
神経因性膀胱
膀胱には尿をためて漏らさないようにする役割と、排尿の際には勢いよく尿を排出する役割を持っています。こうした仕組みが脳卒中後遺症、脊髄障害、パーキンソン病などによって不具合を生じた状態が神経因性膀胱です。症状には尿漏れや排尿困難などがあり、放置すると腎臓に障害が及ぶ可能性があります。
心因性頻尿
緊張や不安などで尿意が起こり、それを意識することで頻繁に尿意を感じるようになって不安や緊張が高まり、それがまた尿意につながるという悪循環を起こす病気です。ストレスが大きな原因と考えられており、環境の変化などをきっかけに発症することがよくあります。頻繁に尿意を感じて何度もトイレに行き、トイレが近くにない場合には大きな不安を感じるという症状が現れます。薬物療法などで治療可能ですので、お気軽にご相談ください。
骨盤臓器脱
骨盤より上にある膀胱や子宮、直腸などは筋肉や靭帯によって支えられています。この筋肉や靭帯が加齢や閉経、出産などによって緩んで臓器を支えきれなくなり、膣から飛び出してしまう状態が骨盤臓器脱です。膀胱脱、子宮脱、直腸脱があり、下腹部の違和感、頻尿、残尿感、排尿困難、便秘、出血、痒みなどの症状が現れます。早期に発見できれば治療で回復しやすいため、こうした症状に気付いたら早めに受診してください。
閉経関連外陰尿路症候群(GSM;Genitourinary Syndrome of Menopause)
閉経後の女性の50%にみられ、通常閉経後 4~5年してから、かゆみ・膣の潤滑低下・性交疼痛・性交時の膣出血・多尿・白帯下(おりもの)などの症状が現れます。当院では外用剤や漢方薬などで治療を行います
女性性機能障害(FSD;Female Sexual Dysfunction )
分類:性的関心/興奮障害、オルガズム障害、性器・骨盤痛/挿入障害、物質・薬剤誘発性性機能障害、その他の性機能障害(性嫌悪なども含みます) 。 2005年グローバル調査報告では、性的関心/興奮障害は約30%、オルガズム障害は約15%、性行為に伴う疼痛は約15%ににみられるとされています。当院では外用剤や漢方薬などで治療を行います。
膀胱痛症候群、骨盤内疼痛症候群
様々な原因により、骨盤内に痛みを生ずる疾患です。原因に合わせて様々な治療を組みあわせる必要があります。
性感染症(STI)
性感染症は性行為によって、感染する病気のことです。オーラルセックスのような粘膜接触や、精液や血液による感染もあります。原因には細菌、ウイルス、寄生虫、原虫などがあり、排尿痛や残尿感など排尿に関する症状が現れるケースが多いです。性感染症は不妊の原因や母子感染してしまう可能性があります。排尿痛や残尿管、外陰部のかゆみやできものなど気になる症状がありましたら、お気軽にご相談下さい。